右を向いてしゃべる。
人類の平和を唱える声。
まるで聖職者かのよう…。
今度は、左を向いてしゃべる。
貪欲さと傲慢さで怒鳴る。
悪魔か鬼か?
『誰だ、お前は一体!』
「はい、人間様です。」
その仮面の内側に何がうごめいているのであろう。
味方なのか、敵なのか…。
どす黒い思いを持ちながら優しそうに笑いかける。
その笑いかける笑顔をそのまま信じてきたか?
いやいや、その笑顔の奥のどす黒さはとうに御見通しだったか?
判断に誤りが無かったか?
それとも誤り騙されたか?
人の世の真実であり、避けて通れぬ現実。
この世は地獄ではないが天国でもない。
己の才覚で生きてゆかねばならぬ。
辛くするのも楽しくするのも自分次第だ。
あぁ、何と愚かに生きてきたのだろう。
笑顔を信じ、饒舌を真に受けて生きてきた。
笑顔の裏の影、饒舌に隠された嘘。
こんなことさえも知らないで生きてきた…。
いや、こんなことばかりではない。
そのまま信じれることもあるはずだ。
まさに一生勉強。
たまにガツンと気づかされる…。
まだまだ、青二才なのである…。
以上 sakaki